トイプードルの顔のイボ、しこりの治療

右眼瞼下のしこり

頭部中央の大きめなしこり

トイプードルは比較的皮膚に良性のしこりができやすい犬種です。 細胞診といって針をしこりに刺してシリンジで吸引し、スライドに染めてみる検査をすることがまず一般的です。どんな細胞が出現しているかで腫瘍なのか、炎症なのか、などを鑑別します。それでも100%の診断は難しいため、確実なのは治療と診断を兼ねた切除生検です。しこりを体から切除して、病理検査を行います。一般的には病理検査専門の機関に依頼するため結果が出るまで10日から2週間ほどかかります。

肩のしこり。ハーネスにあたってこすれてしまう。切除前にバリカンで毛をかっています。

頭部のしこりの切除前。消毒中。

切除して縫合

左眼瞼下のしこりも切除して縫合

当院では全身麻酔下で歯科治療を行うことが多く、小さな皮膚のしこりであれば同時に切除を行うこともあります。

良性でも、トイプードルのようにトリミングが必要な犬種ですとバリカンで傷つけたりすることもありますし、大きくなると悪性化することもあります。それだけのために全身麻酔はちょっと、という方も歯科処置と一緒にできますよとご提案すると、「それなら」とお願いされることもあります。小さなしこりは液体窒素などで切除するやり方もありますが、当院では全身麻酔下であれば、基本にのっとったやり方である、「メスで切開して切除、その後縫合する」というやり方にしています。この場合1週間から10日後に抜糸が必要になりますが、取り残しがなく検査にも提出でき非常に有用です。たいして液体窒素などは局所麻酔でできるかもしれませんが、患部を焼却してしまうことで腫瘍の検査が困難になったり、取り残しの判断が難しいという結果が出てしまうことがあります。やり方は長所短所がありますので、それぞれかかりつけ獣医と相談する必要があります。なお、このトイプードルちゃんは摘出したしこりは全て「皮脂腺腫」という良性の結果でした。

10日後抜糸前。毛も生えてきている

同様に抜糸前

抜糸後。綺麗に整っていいる

抜糸後。違和感もなさそうだ

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