プードルの偶発的に認められた脾臓の腫瘤(結節性過形成)

 去勢手術を希望され、来院した7歳のトイプードルちゃん。術前検査として血液検査、レントゲンを受けたところ腹部に白い塊を認めたため、超音波エコー検査を実施しました。

エコーでの画像。丸い部分がしこり

 エコー検査により、部位としては脾臓に腫瘤(しこり)があることがわかりました。脾臓の腫瘤には悪性のもの(血管肉腫)などもあるため、針を刺して細胞を採取し検査する細胞診も行いました。

 結果は結節性過形成を疑うというものでした。結節性過形成は良性の非腫瘍性病変ですが、非常に脆く、破裂すると大出血を伴い命に関わることもあります。また、細胞診ですと高分化型リンパ腫の否定はできません。以上のことからご家族と相談し、去勢手術とともに脾臓の全摘出を行うこととしました。

 

開腹し、脾臓をお腹から外に出した状態

お腹を開けて脾臓を摘出したのち、去勢手術も行いました。術後は腹腔内での出血や貧血がないか2日ほど入院管理し、問題がないことを確認して退院しました。

 

縫合終了後。

摘出した脾臓全体。丸いものが結節

 

 摘出した脾臓は病理検査を依頼し、結果としてはやはり「結節性過形成」でした。そのまま経過観察し大きくなり、大出血をしたときは緊急手術で脾臓摘出したり輸血が必要になることも多いです。予防的に摘出を行えば安全に、かつ術後の回復も早くすみます。今回は良性でしたが、悪性の血管肉腫である場合はすでに肝臓や心臓に転移していたり、摘出しても予後が良くないこともあります。

画像検査(レントゲンやエコー検査)を含んだ健康診断によって、病気を早期に発見することは大切です。年に一度は健康診断を、そして見つけた異常はなるべく確定診断をして早期に解決しましょう。

TOP