【歯科の緊急症例】口が急に閉じなくなった高齢犬・口の中の異物
急遽、朝イチで来院された高齢ダックスフンドちゃん。口が半開きで、閉じることができなくなったそう。朝ごはんは普通に食べていて、その後気づいたらそうなっていたとのこと。口が開いたままで、よだれも出ていて辛そうでした。

半開きの口とよだれ
重度の歯周病もあり、歯が抜けかかって変な角度になっているとか、最悪下顎骨折も可能性として考えました。また高齢のため顎の関節の問題や腫瘍などに歯があたって痛くて口が閉じれないなども考えられます。いずれにしろ無理に処置をする前に、レントゲン検査で顎が折れていないかを確認しました。顎が折れているのに無理に口を開けると悪化させてしまうこともあります。レントゲンで顎は問題ないようでしたので、次に口の中をよく観察することにしました。嫌がる子だと鎮静のお薬が必要になることもありますが、とても我慢強い子でしたのでそのまま口の中を観察すると・・・
なにやら右下顎の奥歯(第一後臼歯)の部分に違和感が。
異物が挟まっているようです!
無事摘出できました。ジップロックのチャック部分がちょうど歯に挟まったようでした。

すぐに口を閉じることができるようになった
異物はそれだけだったようで、その後はご覧の通り、すっきりホッとしたお顔になりました。辛かったでしょうね。ちなみにこのわんちゃん、歯周病の治療は後日に行いました。
わんちゃん猫ちゃんが急に口を閉じなくなった場合は、基本的に緊急対応が必要です。様子を見ずに病院へ連絡しましょう。